LIFESPANー老いなき世界

「技術の進歩によってもう少しは伸びるかもしれないけど、いずれにせよ人間に(そしてあらゆる生物に)寿命というものはある」

 私たちは何となくそう思っているけれど、実は寿命なんてないのかもしれない、というこの本の言述は結構衝撃的だった。
 老化とは疾患である、防ぐことで理論的にはいつまでも生きることができる。らしい。

寿命

 セミリタイアなどしていると、一度は(というか何度も)資金予定表のようなものを作ったことがあるから、そうすると「いつまでも生きられる」といざ言われると当惑する気持ちもあるだろう。資産のシミュレーションをしていると、前提条件の置き方によっては少々心許ない結果となることもあるし、そんな時に「まあ、そうはいっても適当なところで死ぬよね」と思ったりするのも事実だ。
 私自身は「何でもいいからとにかく長生きしたいとは思わないけど、生きている間はなるべく長く健康でいたい」と思っている。私だけではなく多くの人がそう思っているだろう。寿命ではなく健康寿命なら可能な限り長くしたい。

 余談だけど、私自身は一応100歳まで生きることを前提に資金予定表を作成している。
 先日、友人数人と話していた時に、ふと「何歳くらいで死ぬと思う?」と聞いてみたら、「まあ80歳とか?」との答えが返ってきた。それで資金予定を組むのは、今となっては少しリスクが高いなと思った。
 この本を読むと、もしかしたら100歳でもリスクが高いと思う時代が近いうちに来るのかもしれないと思えてくる。

 それに、想定する寿命が20歳も違っていれば、人生とか生活に対する姿勢も違ってくるだろう。
 例えば今60歳の人がいるとして、あと20年生きると思っているのとあと40年生きると思っているのでは、新しいことにチャレンジしたり、生活の諸要素(食、睡眠、運動など)において多少の節制をしたり、資産運用において積立・運用・取り崩しのタイミングを判断したり、もちろん何歳まで働くかの意思決定なども、あらゆることが違う結果となる可能性が高い。
 その辺りについても時代の流れとかそういうものにアンテナを広げ、必要に応じて自分の世界観をブラッシュアップしておかないと、後々困ったりするのかもしれない。

加齢により太ること

 加齢とともに太る、痩せにくくなる、というのも、私たちは「歳を取ると代謝が落ちて、同じ量を食べていても摂取カロリーが消費カロリーを上回るからだ」と思っている。

 しかし私の理解が間違っていなければ、「太ることはそれ自体が老化現象だ」とこの本は述べている。逆に言えば、体が若々しければ太らない、痩せる。
 運動すると消費カロリーが増えるから痩せるのではなく、運動によって身体を若返らせる作用が働くから、若返りの一現象として痩せる。
 食事を減らすと摂取カロリーが減るから痩せるのではなく、食事制限によって身体を若返らせる作用が働くから、その一現象として痩せる。
――ということらしい。

 身体を若返らせる作用というのは、本の中ではこと細かく述べられていたが私の頭にはごく断片的にしか残っていなくて、それはつまり、テロメアが伸びたりサーチュイン遺伝子に代表される長寿遺伝子が働いて身体機能を「老化=疾患」から遠ざけて健康的に(=若々しく)保つ作用のことだ。
 食事の摂取量を減らす(日々の摂取量を減らす、あるいは定期的に断食する、プチ断食でも良さそう)、運動をする、寒さを感じる(褐色脂肪細胞の活性化)(暑さについてはそこまでのエビデンスがないらしい)などが遺伝子レベルでの若返り効果があるとのこと。
 逆に良くないのが食べ過ぎ、運動不足、喫煙、紫外線など。

 ちなみに筋トレする人が一般的に行っている食習慣(たんぱく質を多く摂る、BCAAを摂る)なども老化防止の観点からみると良くないようで、私自身も一時期は心掛けていたし、ジムに行けばそういう人はたくさんいるので、はっとした。

有効成分

 文中に『レスベラトロール』が出てきて、そう言えば私も昔パレオな人(鈴木祐さん)のブログを読んで一時期サプリを飲んでいたなー続かなかったけど、と思っていたら、その効果が発表された当時は一世を風靡した(?)らしいけれど、その後の研究ではレスベラトロールだけが突出した作用を持っている訳ではないことが分かってきたらしい。
 薬でいえば『メトホルミン』というのが効果絶大らしいけど、残念ながら健康な人間が入手できる可能性は低い。
 『NMN』というのも良いらしい。
 余談だけど、少し前にホリエモンが先進医療の専門家の話を聞くという企画のYouTubeを見た時に、専門家が「〇〇というサプリが~」と言ったところホリエモンが「僕それ飲んでるんですよね」と答えていたことがあり、その〇〇が何だったのか覚えていないのだけどもしかしたらNMNかな、と思って少し検索してみたらすぐに出てきた。
 amazonの商品ページに写真が載っていたから、販売にも関わっているのかな。(なお、動画で言及していたのがNMNだったのかメトホルミンだったのか他のサプリだったのかは未だ確認していない)

 ちなみに、下記のツイートはこの本を読んで(聴いて)いた時のもの。初めの数時間はものすごく集中して聴いたけれど、ある程度慣れてからは多少流し読み(聴き)できるようになった。

 もっと色々と面白いことが書かれてあったけど、残念ながらアウトプットできるほど頭に残っていない。
 この先の医療の発展(臓器移植とか遺伝子治療とか)、人口の増加と環境問題、高齢化社会や国の制度等、幅広い視点から書かれていた。
 機会があればもう一度聴き直して自分のためにここに追記しておくのもいいかもしれない。

オーディオブック

 昔、毎日毎日とにかくウォーキングしていた時期があり、歩きながら同じ音楽をただ繰り返し聴いているのが段々と勿体なく思えてオーディオブックを利用しだしたことがあった。
 その後数年間は離れていたのだけど、しばらく前から再開したら、結構良い。
 読書時間が殆ど持てていない今の生活で本を読む有効な手段だ。これからも続けてみようと思う。

 私が利用したことがあるのは、『Audible』と『Febe』だ。

 オーディブルは当時はKindleUnlimitedのように聴き放題だった記憶があるのだけど、この度再登録してみたら、1冊1冊購入する形式に変わっていた。
 Febeは今は『audiobook.jp』と名称変更していた。こちらも1冊1冊購入する形式だ。50%オフとかも頻繁にやるので、それを狙えば割と安く買える。昔買うだけ買って聴いていないタイトルもたくさんあるから、これから少しずつ積み本を消化していきたい。
 オーディブルと旧Febeのラインナップはあんまり被っていないので、両方使う予定。
 あとKindleの読み上げ機能とかandroidのTalkback機能いうものを使えば電子書籍をオーディオブックのように読むこともできるようで、オーディオブックより電子書籍の方がラインナップが桁違いに多いのでこれもそのうち利用してみたい。

 と思っていたら、オーディブルが再び聴き放題になるらしい! これは楽しみ。

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