セミリタイアと罪悪感

 セミリタイアっぽい生活を始めて以降、毎日家で本を読んでいる。

 そして、どうしても罪悪感のようなものを自分の中から除去することができない。

 といって罪悪感に負けてまたフルタイムで働こうとか思うほど生真面目でもない。ただやりたいようにやりながら、心の底から楽しめないだけだ。

 本、小説を読むということはその間は異次元の世界に没頭するということだから、それは文字通り現実逃避であって、読んでいる間は平気なのだけど、読み終わったり、読むのを再開しようとする際に、こんなことをしていていいのだろうかと思ってしまう自分がいる。

 いいのかどうか分からない。これがセミリタイアの醍醐味だと思いつつ、でもどこかで不自由があるからこそ自由が楽しめるのだなとも思う。快楽に対して貧乏性だなとも思う。

 こういうのも乗り越えて、セミリタイア後の生活が落ち着いてくるのだろうか。どこかでバランスが取れるのだろうか。自立して生活できているなら一日何時間働こうが働くまいが自分の自由だと心の底から納得できるようになるだろうか。あるいはまたもう少し働こうかなと思ってしまうのだろうか。働きたいと思って働くのならそれは幸せなことだろうけど。

 いろんな呪縛からまだ全く逃れられていないなと思う。

 とりあえず、頭ではそんなことを考えながらももう少し低次元の自分はひたすら本を読むことを求めているので、体はそれに従うしかない。

 この先どうなるのか、どうするのか自分自身も見守るしかできない。