時間貧乏
セミリタイアする前は、仕事さえ減らせば時間に関するストレスも減るのだろう、なんて思っていた。
しかし、実際にセミリタイアっぽい生活を一年ほど送ってみて、全然そんなことないなと実感している。
時間が足りない、または時間を上手く遣えていない満たされなさが常にある。『やりたいことに時間を遣えて快適な日々』なんていうものは、もしかしたらないものねだりなのかもしれない、なんて最近は諦めすら入ってきている。
理由をいくつか考える。
1.セミリタイアしたからといって暇になる訳ではない
セミリタイアして、仕事時間に関しては確かに激減した。
でもそこにはすかさず別の活動が入ってくる。ほとんどが趣味の時間だけど、趣味は一つではなく複数あるので、やりたいことがバッティングすることも多い。
全てがやりたいことなのだからストレスはないだろうと考えがちだけど、ある趣味の予定を入れていたせいで別の趣味を行うのに支障が出たりする時にそこで生じるストレスの性質は、仕事のせいで趣味に時間が遣えなかった時のものと全く変わらないなと感じている。
2.やりたいことだけどやりたくない
これはインドア派に特有のものなのかもしれないが、外出するという行為に無条件にストレスが付随する。何か外出を伴う予定を入れた時、どうしても自由時間が削られている感覚になる。たとえそれが自分がやりたいと思って入れた予定であってもだ(行けば楽しかったりするのだけど、それはストレス軽減の役には立たないようだ)。
たまに数日続けて外出の予定が入っていたりしたら、相当フラストレーションが溜まっていらいらする。朝起きて「今日も予定があるのか」と思うと気が重い。
このストレスはむしろフルタイムで働いていた時よりも大きいように思う。働いていた時はそこに選択の余地なく、その状態を無条件に受け入れているからだろう。自分に選択権がある状態の方がストレスが大きいというのは何かの本でも読んだけど、確かに、自分で決めた予定を実行するためにプラスアルファの気力が必要となる。
3.ひとつひとつの活動に時間がかかる
フルタイムで働いていた時と今とでは、同じことをやるにしても時間効率が全く異なっている。これは私だけではなく大体の人はそうなのだろうと思う。
前にちきりんが「日本で一番時間を効率的に遣えているのはフルタイムで働くワーキングマザーである。限られた時間でやらなければいけないタスクが多いので、ひとつひとつの行動が最大限最適化されているから」というようなことを言っていた(細部はうろ覚えであるが)。
だから、もし私もそういう状況であればそれなりに短時間で多くのタスクをこなすだろうし、実際、フルタイムで働いていた時にもかなり時間効率は良かった。翻って、セミリタイアっぽい生活を送っている今はそれができていない。これは個人の資質の問題ではなく生活密度の問題である。
だったら一日にぎゅうぎゅうにスケジュールを詰め込んでしまえば、ひとつひとつの活動が効率化されてやりたいことをより多くこなせるのではないかとも思うけど、そうやって時間に追われるのって何となく本末転倒な気もするし、どっちにしろ意志が弱いので自分だけで実行はできそうにない。
4.無意識に覚える焦燥感
忙しく働いていた頃の癖が未だに抜けていないのかもしれないが、常に「時間がない」という焦燥感がある。
これについては、セミリタイアしてしばらくゆっくりしたら少しずつなくなっていくだろうと思っていたが、今のところはまだ完全にはなくなっていない。軽減はしているかもしれない。
なお、この種の焦燥感は、それを抱くことで更に時間を無駄にしてしまうことの方が多いので、なるべく早くなくしたいと思っている。
5.だらだらとネットしてしまう
目的をもって情報収集するなどであれば構わないが、変に自由時間がある分、ついだらだらとネットのニュースやSNSなどを見てしまうことが最近多い。
これについては、上記4項目とは違って努力で改善できそうなので、今のところここに焦点を絞っているところである。
総括
時間に対するストレスについては、
・実際に時間がないこと、もしくは非効率に遣ってしまうこと
・『時間がない』という思い込み、現実に必ずしも合致していない主観
のふたつに分類したうえで、それぞれ別の方向から解決を図っていくことが肝要なのではないかと、この記事を書いて思った。
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