私の脊柱起立筋と筋トレについて

 筋トレしていると段々とよく分からなくなってくる。
 筋トレ自体が目的(好き)だったり、ボディメイク系の大会に出るのを目標にしているのであれば、きっとこんな風に考えないのだろう。けど、私のように「現在および未来の健康のために」筋トレする場合、どの程度の負荷を目指せばいいのだろう?

 去年の春頃、コロナ禍でジムがしばらく休館していたことがあった。
 私が筋トレを始めて5年くらい経つと思うけど、トレーニングをそんなに長い間中断したのは初めてだった。だから筋トレを再開しても扱える負荷は落ちているだろうと予想していた。
 いざ再開した時、扱える負荷がそれほど変わっていなかったり(ベンチプレスとか)すぐに元に戻ったり(スクワットとか)したメニューもあるけれど、デッドリフトだけは顕著に落ちてしまっていて、未だに以前の重量を扱えるまでに至っていない。

 コロナ禍が本格的に始まったのと私がセミリタイアっぽい生活に入ったのはほぼ同時期だった。セミリタイアして仕事が減ったら当然外出の機会も減って(コロナ感染予防という意味ではありがたかったのだけど)、家で座ってばかりの生活になってしまった。仕事していた時は嫌でも毎日外に出て、歩いて、どうせならと一駅か二駅くらいは歩いて、エレベーターの代わりに階段を上っていたりしたのだけど、そういう運動量は激減した。

 考えるに、脊柱起立筋が衰えてしまったのは、筋トレの長期中断のせいというよりは、そういう生活の変化のせいのような気がする。

 脊柱起立筋は、(私の場合は、なのかもしれないけど)あんまり筋肉痛が来ることがなくて疲労だけを感じる。長時間歩いた後とかエアロで運動した後もかなり疲労する。そしてジムに行った後に感じる背面の疲労がセミリタイア以前より増している気もする(けど昔はそれほど意識していなかったので、ちゃんとした比較はできていない)。
 疲労している時に変な動きをしたら傷めてしまうし、腰を傷めたら後々が大変だと思って、それでエアロ後に筋トレする日などはデッドリフトする時も及び腰になっているのかもしれない。セミリタイア以前は50kgくらいまで持ち上げていたのだけど、再開後はずっと40kgくらいまでしか扱えていない。前より衰えていると思っているから余計に慎重になって高負荷に挑戦できていない。

 ただ、たとえ筋力が落ちてしまったとしても、上手に筋トレすればまた向上させることはもちろん可能だ。
 私は今は週1回(たまに2回)しかトレーニングできていなくて、これだと筋力はそんなに向上しない。
 でも週2~3回に増やせば多分そこそこ向上するはずだ。
 そしてそうやって向上した筋力を維持しようとすれば、永遠に週2~3回のトレーニングを続けないといけない。やめたらまた戻ってしまうから。何故戻るかと言えば、普段の生活ではそこまでの筋力を使わないから。

 でも、そんなことを考えながら筋トレして汗をかいていると、普段の生活で使わない筋力をわざわざ獲得維持する意味って何だろう、という方向に頭が行ってしまう。冒頭に書いたように、筋トレそのものが好きなら何も考えなくても週2~3回はトレーニングするだろう。大会に出て入賞したいと思っていたら頑張れるだろう。でも私は何を求めて筋トレしているのだろうか。

  • これから先、加齢とともに筋力は落ちる一方だから少しでもそれに抗いたい
  • できるだけ長い間、自分の足で歩き続けたい(認知機能維持のためにも)
  • 座りっぱなしの生活だから不足する運動量を補いたい、柔軟性も維持したい
  • 負荷をかけることによって骨密度を多少なりとも向上させたい
  • 体型を維持したい(維持というより改善と言うべきかもしれない)
    ※痩せるという意味ではなくボディラインを整えるという方の意味で

 理由を挙げるとしたらこんな感じだ。最近はボディビルダー以外でも筋トレは一般的になっているけど、その人達の中にはこういう考えの人も多いと思う。

 でも私の脊柱起立筋のことを考えても、その筋肉は筋トレによってではなく日常生活における運動で維持されていたようだし、日常の運動量が減ってしまった今、筋トレでものすごく増える気がしない。
 というか、ものすごく増えるほどの筋トレをしようと思っていない。
 もしものすごく増えるほどの筋トレをしたとして、そのレベルの筋トレをやめたらまた筋力も元に戻ってしまう。何故戻るかと言えば、日常生活ではそこまでの筋力を使わないから。何故使わないかと言えば、必要ではないから。

 だったら、日常生活に必要でない筋力を獲得する意義とは何だろう。何回も書くけど、筋トレ自体を楽しんでいたり大会などの明確な目標がある場合を除いて。

 というようなことを、最近よく考えている。

 筋トレを始めて以来ずっと定期的にパーソナルトレーナーをお願いしているのだけど、コロナ後、一時期はトレーナーさんに「高負荷でお願いしたい、前に扱えていた負荷が扱えなくなるのは何となく嫌だ」と子供の駄々のような無理を言ったりもしたけど、さぞ困ったと思う。「だったらもっとトレーニングの回数を増やしなさい」と言いたかっただろう。その時だけ無理に負荷を上げても故障するのがオチだろうし。

 若い頃、一か月だけ遠くの勤務地に通わないといけなかったことがあって、朝が弱い私は毎朝ぎりぎりに家を出て、駅までものすごい速足で歩いていた。それを一か月続けたら、お尻が見事にきゅっと上がっていた。(勤務期間が終わったら知らない間に戻ってしまったけど。)
 そういうことを考えても、筋トレよりも日常生活の運動量や負荷を上げる方がよっぽど効果的なのだと思う。「わざわざジムに行かなくても日常生活を工夫しろ」とはよく言われることだ。でもそれができない人がジムに行く訳だけど。

 私ももともとインドアが大好きだから、仕事すら減らしてしまった今、自発的に運動量が増える見込みがない。日常生活で運動量を増やせと言っても、それはおそらく、いきなり養子をもらって子育てを始めるとか、沖縄に住んでいたのに明日から北海道に移住するとか、ずっと海女さんをやっていたのに突然弁護士事務所に就職するとか、それくらい大きなインパクトのある変化だと思う。日常生活のすべての要素をがらっと入れ替える覚悟がいる。自分の性格とか嗜好、価値観を大幅に変えないと、行動は変わらないし、だから日常生活における運動量だって変わらない。(買い物に行く時にちょっと遠くのスーパーに行ったりする程度の努力だったら既にやっている。)
 家で本を読む幸せを明日からはハイキングに行く幸せで代替せよ、と言っても無理があるよな、と思ってしまう。

 そんな感じで、次善策として私はジムに通い続けている。
 筋トレは必要だと思ったからやっているけど、そんなに好きな訳ではない。楽しいという意味ではエアロビクスの方が楽しい。そしてエアロの後は脊柱起立筋が疲労している、ということはそこをかなり使っているということだ。

 であれば、エアロの回数を増やしたら脊柱起立筋も今よりは強くなるだろうか、ということを今は考えている。エアロは楽しいから続けるのは容易だ。

 とりあえず、ジム活を週1回から週2回に増やすつもりなので、しばらくは様子を見てみようと思っている。

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